レッスルマニア37のメイン戦は三つ巴マッチ!
今年のレッスルマニア37は久々に観客を動員させての2夜連続開催!米国はワクチン接種が進み感染者が減少傾向から、コロナに打ち勝ったと言わんばかりに会場にはマスクを外した大勢のファンが大声で歓声を挙げていました!私も早くマスク無しで叫びたいな・・・会場で応援できないの辛い!!
2日目の目玉は、何といってもレインズ、エッジ、ブライアンによるWWE世界ヘビー級王座をかけた三つ巴戦だったでしょう。3人のレスラーが戦う「三つ巴」ですが、この試合形式が1年の総決算である大きな大会のメイン戦に組まれるという点でWWEに馴染みがない人は違和感あるのでは?
「大人数でのメインマッチ」についてWWEの醍醐味なのか、過去のレッスルマニアでもメイン戦で三つ巴戦は良く組まれていました。とくに最近の出来事でもなく今から20年以上も前、2000年のレッスルマニア16のメイン戦はHHH、ザ・ロック、ミック・フォーリー、ビッグ・ショーによる4人マッチですよ!
その後もレッスルマニア20でのメイン戦:HHH、ショーン・マイケルズ、クリス・ベノワやレッスルマニア22でのカート・アングル、レイ・ミステリオ、ランディ・オートン戦、近年ではレッスルマニア35での女子による初のメイン戦:ベッキー、シャーロット、ロンダ・ラウジーが挙げられます。
というより、WWEでは世界王座のベルトをかけて6人で試合する形式などもあって、大人数での争奪戦は日常茶飯事なのです。「1対1」のシングルマッチを好む新日本プロレスではあまり見かけない光景ですよね。もし仮に、レッスルキングダムでのメインが、レスラー4人によるIWGP世界ヘビー級王座戦とか言われたら驚愕でしょう。
新日プロレスはシングルマッチが価値がある
新日本プロレスはまさにプロレス界きってのストロングスタイル!!頂点を決める試合では「1対1」の激しいぶつかり合いが重要で、大人数でわちゃわちゃする展開があまり好まれていない印象があります。これは伝統を継承しているとも言えますね。
なのでシングルマッチの方が評価されることから、メイン戦は大人数の試合があまり組まれません。確かに「1対1」だけで、飽きさせずに1時間近く試合できるのは最高峰なレスラーだからこそ成せる事ですからね。観客を飲み込んで熱狂させハートを掴むのが上手だなと思います。
プロレスの格言で、「真の頂点を極めたプロレスラーは、箒(ほうき)を相手に試合ができる」というものがあります。どんな相手だろうと名勝負を演出できるということですね。飯伏幸太選手は、ヨシヒコこと人形でもプロレスを成功させました。
ただ、三つ巴の試合がまったく評価されないという訳ではなく、2021年2月の大阪大会で組まれた、デスペラード、エル・ファンタズモ、BUSHIによるIWGPジュニアヘビー級王座の試合はとても面白かったですよ。たまにこういう試合も見たいなって思いました。
それでも「1対1」で名勝負を生み出せる、これが新日本プロレスが肝に銘じている精神なのかなと思いますね。AJスタイルズと中邑真輔の試合も面白かったですし、60分を超えたケニー・オメガとオカダ・カズチカの試合なんて忘れることができません。
WWEはエンタメ要素を重視
一方、WWEのようなエンタメ要素が強い団体の場合、ファンから求められるのは「魅せ場」ではないでしょうか。どのような名場面を用意しているのか・・・それはそれで評価対象な訳です。WWEは、「ワールド・レスリング・エンターテインメント」ですからね。ブックがあるからこそ、とことんエンタメに徹しても良いのかなと思います。
新日本プロレスに見受けられるパンチやキックの肉弾戦:ストロングスタイルというより、高いところから飛ぶ・叩きつける、機材や会場の設備を用いた「魅せ場」が多いですね。そして大人数で試合を組んだ方がその魅せ場が増やせるのかもしれません。
例えば三つ巴戦にした方が、試合中にツープラトン技を組み入れたり、様々なレスラーの技が見られますよね。ブック・シナリオストーリーも複雑にできますし、三つ巴の方が人間関係など深いドラマを作り出せるわけです。あとは、誰が勝つのだろうか?というワクワクさでしょうか。
派手さやインパクト重視ということで、WWEの演出はハリウッド映画ぽいです。アンダーテイカー、ブレイ・ワイアットのように、新日本プロレスではありえないような奇行派レスラーも認められるのはWWEの世界だからでしょう。一瞬で火花とともにレスラーが消えたり現れたりマジックのよう。※実際にWWEは映画部門もあります。
シングルマッチにしても三つ巴のような試合形式にしても、どちらの試合にも良さがあります。あとはそれぞれの好みによりますね。同じ「プロレス」という格闘技種目なのに団体ごとに「色」があって棲み分けされているのが面白いなと感じるところです。